ヒロセ通商公式ブログ、日々の売買ポイントをわかりやすく解説。 著者なりの相場観を綴ったもので、実際の投資および取引に関する最終決定は、お客様ご自身の判断において行われるようお願い致します。

2014-07

[全般]地政学的リスクの後退と各国経済指標

先週は日銀会合とイエレン議長議会証言に注目が集まると思われたが、市場の反応は限定的となる一方、俄かに地政学的リスクが高まった。
先週後半はマレーシア航空機が撃墜されたことや、イスラエル軍がガザ地区の地上攻撃を開始するなど地政学的リスクの動きが強まり安全資産となる円や米国債に資金が集まった。撃墜のニュースが流れた直後、最も動きが目立ったのがドル円と米長期金利、そして株式市場で、他の通貨はそれ程大きな変化は見られなかった。その動揺も、それ程時間がかからない段階で巻き戻しの動きが強まるなど市場は比較的冷静な姿勢を保っている。
オバマ大統領はウクライナ問題で軍事的役割はないと発言したことも安心感を与えたようだ。
今週はマレーシア航空機の撃墜に関する情報が明確化してくる段階で色々な情報で一喜一憂しそうだ。
もしロシア側の非が明らかになればロシアにとっては世界を敵に回すことになる。ロシアと欧米との軍事的な衝突は現実的ではなく、ウクライナ問題は寧ろ収束しに向かうきっかけになれば寧ろリスクは後退することになる。
いずれにしても、ウクライナとイスラエルの緊迫した状況が燻る中で、リスク商品のポジションは持ち難い。それよりも突発的な動きに注意が必要だ。

先週発表された米経済指標は住宅関連以外好調な結果を示しているものの、市場の反応は地政学的リスクなどから限定的となった。今週も新築と中古住宅販売が発表されるが前月よりも減少していると予想される。また、消費者物価も前月を下回ると予想される。
市場が落ち着きを取り戻せば再びこれまでの経済指標の結果も含め注目される。
ただ、ドルの方向感がいま一つ掴めない中で今週もポンドやユーロ、そしてオセアニア通貨の短期的な動きに市場の注目が集まりそうだ。
先週末にBOEカーニー総裁のハト派発言の噂でポンドが下落するなど投機的な動きが主要通貨の中でポンドが最も目立つ。MPCの議事要旨や週末発表のGDP前後の動きには要注意。
上昇後、荷もたれ感の強まる豪ドルやNZドルにも注目したい。
今週は6月豪州CPIや中国PMI、RBNZの政策会合など注目イベントや材料が発表される。
更に、ポルトガルの銀行の信用問題も燻るユーロは地政学的リスクによる更なる下落リスクにも注目。ユーロポンドなどのクロス取引も活発になり始めるなど、ドル円以外の通貨取引で稼ぐチャンスを見出せそうだ。

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[米ドル円]地政学的リスクでもレンジブレークなし

(米ドル円日足)

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(米ドル円週足)

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マレーシア航空機の撃墜で俄かにリスクオフ動きが強まり安全通貨としての円が買われた。
ドル円も東京の早朝に101円10銭まで下落した。しかし、結果的にドル円はこのレベルを抜けずに反発。これだけの大きなニュースにもドル円はレンジを抜け出せなかったことが今のドル円を象徴している。レンジの下限近くまで下げたところでは売りが続かず寧ろ個人などの買いが並んだ。101円15銭付近にはアベノミクス以来下回ったことのない52週移動平均線が位置しており、引け値ベースで結局このレベルを上回った。下落過程では今年最安値となる100円75銭がブレークされるとの見方が広がっていた。
かなり大きな売り材料に対しても下値が抜けないということになれば、このレベルに近づく度に買いが並んでくることになる。
上値も日足一目の雲の下限と200日移動平均線が102円付近に聳えるなど強いレジスタンスになっている。
少なくともウクライナとイスラエル状況が落ち着くまではドル円の上値は買っていけない。
万が一ロシアが強気の姿勢を示す時には再度リスク回避の動きから100円台に突入する場面も想定される。

今週のドル円予想レンジ:102円30銭(7月3日高値)~100円80銭

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[ポンド円]投機的通貨として狙われる

(ポンド円日足)

GBP_JPY_20140721_hiashi.jpg

(ポンド円時間足)

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先週発表された英6月CPIとRPIが予想を上回ったことでポンドは上昇。その後も英経済指標の発表時間前後で荒っぽい動きが目立つ。投機筋がポンドを狙って短期的な仕掛けをしている可能性が高い。先週末にはカーニーBOE総裁がハト派的な発言をしたといった話からポンド売りが強まった。結局否定され単なる噂とわかると再び元のレベルまで押し戻されるなど、投機的な動きが続いている。
今週は中銀金融政策委員会MPCの議事録要旨が発表される。全般に利上げ期待が強く残る中で少しでもハト派的な内容となれば一時的に売りが強まると予想される。
また、週末には4-6月期GDPが発表され、景気回復ペースが速まる結果となれば、その時のレベル次第では一気に買いが強まることになりそうだ。
いずれにしても、投機的な動きは往って来いとなりやすく、利食い売りは確実に入れていきたい。

今週のポンド円予想レンジ:174円50銭~172円40銭(50%、6月30日安値)

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[豪ドル円]地政学的リスクで底値切り下げも

(豪ドル円日足)


先週公開されたRBA議事録では特に豪ドル高に対する強い懸念が示されなかったことで上昇。しかし、その後RBA副総裁が豪ドルは過大評価されていると発言したことで売り戻された。中国の経済指標は概ね予想通りで大きな動きは見られなかった。ただ、短期的に投機的な動きが入りやすく荒っぽい値動きが目立つ。
今週は4-6月期CPIや中国7月PMI速報値が発表される。ただし、注目度はウクライナ情勢の動向に集まりそうだ。マレーシア航空機撃墜のニュースで94円ミドルまで下落したものの、その後は買い戻しが入り往って来い。日足でみると天井が少しずつ切り下げており、全般に買い持ちのポジション調整がみられることから、上値では戻し売りが並ぶとみる。
地政学的リスクが高まる中で豪ドル円は買いにくいことから、短期的下値リスクには注意が必要だ。

今週の豪ドル円予想レンジ:96円00銭(7月10日高値)~93円90銭(76.4%)

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